格好いい💕ストレートチップ。について考えてみた件。
一般的には最もフォーマルな靴で冠婚葬祭に最も適している靴であり、店員さんに「革靴の事がよくわからないけど、黒い靴。」「どんな靴がいいかわからない」と聞くと大体この種類の靴が出てくると思います(笑)
爪先を覆い被せるデザインは「キャップトゥ」とか、横一直線のステッチはその形状から「一文字」などとも呼ばれています。
簡単に考えると誰もが持っている靴であり、ここ一番といったときに履きたい靴であり、ビシッとキメる靴だなという印象の靴。
そんなストレートチップの中でも
「最も格好いいストレートチップ」
というのは何かと自分なりに考えてみようかと思います。
(ぼくのかんがえたさいきょうの靴シリーズ~ストレートチップ編~)
(ちょっとしたこだわりがはいるので、既製品以上・ビスポーク未満。少し融通の利くパターンオーダー基準で考えています。)
①先ずは革の種類。
これは迷いが一切ありません。
《クロム鞣しのスムースレザーの黒》
ストレートチップといえばフォーマル仕様。
その最上級となれば…。
この種類の革はその為に製造されているといっても過言ではありません。。。
クロム鞣しという鞣しの過程で革は縮み、目が詰まっていきます。
フォーマル仕様で最も映える光沢感やモチモチ感、強度はやはりこの種類の革でしょう。
これは結構ど真ん中なので、大体のところがやってますね。
2018年現在、手に入る物の中ではダントツにワインハイマー推しです😍
②次はラスト。
2つ目なのにラストとは、これいかに(笑)
というのは置いておき、木型(Last)です。
やはりそのニュアンスに合致する形状はよりベーシックなラウンドトゥ。
これはなるべく下の写真くらいのラウンドが好みです。
③次はキャップの形状。
またまた上の写真より…。
左は普通のステッチの入ったもの。
中央は正確にはスキンステッチという意匠で、プレーントゥにステッチをイミテーションで加えたものですが、
《格好いい❗》
から個人的にはアリです(笑)。
また、一枚革にイミテーションでステッチを加えたものもありますが、《ストレートチップの魅力》を最も出せるのはそれではないと思います。
さて、右はしっかりと見ればわかりますがステッチが見当りません。
レベルソ仕様になっていて、ステッチを入れた革を折って隠しています。
いい革じゃないと出来ない方法ですが、綺麗です。
この技法を使って更にステッチを入れる《カールエッジ》という手法もありますね。
…但し、スキンステッチ仕様やレベルソ仕様など、凝った造りのものってなかなか御目にかかれません。(大塚製靴M-5や三陽山長など)
ビスポークなら是非とも取り入れたい意匠ですが、それはほぼ自己満足の世界😅
現実的に考えるとそれはなかなか難しいかと思います。
キャップ部分の造形だと、ストレートチップでキャップの間が延びるとあまり格好いいとは感じません。
少し流行を意識した結果、本質的な事ではない《ロングノーズ》に見えてしまうからです。
話はそれますが、ロングノーズできちんと作られている靴って格好いいです。
しかし、《私は》それが格好いいのはストレートチップ以外のデザインであると思います。
キャップの形状は《小ぶりのキャップ》かなと。
④ヒールの形状
ヒールの形状としては、
左のようにヒールカウンターがあったり、
中央のように縫い目の無いシームレス仕様であったり、
右のように一般的な縫い目のある仕様です。
革のパーツの数が多いという事は、同じサイズの靴の場合、1枚1枚のサイズは小さくなり、効率よく革を使えます。
逆に中央のように大きな革を使って作るという事は、状態の良い革であり、職人の《力量》が必要な贅沢仕様。必然的に価格は上がりますが、キャップ部分よりは融通の利く範囲内だと思います。
それぞれ利点がありますが、中央の一枚の革で踵を覆っている《シームレスヒール》の形状が一番好きです。
(宮城興業とかだと、optionでシームレスヒール選べたりもしますし、各プレステージラインクラスだと見掛けます。)
踵の大きさ。
なんか黒ばっかりで見辛いので三色団子で。
茶はピッチドヒール。
別名にキューバンヒールとも言うそうですが、レディースのヒールのように下にいくにつれて小さくなっていきます。
かなりドレッシーです。
後ろ姿美人間違いなしです👍
黒と青は同じで、真っ直ぐ下ります。
しかし、多少違いがあります。
黒がシングル巻きに対して青は一回り大きなダブル巻きになっています。
シングル巻きとダブル巻きの一番の違いは履きなれた人ならよく分かるんですが、
青のダブル巻きは
・面積が大きいのでグリップ力がある。
・フィッティングの良い靴は踵までしっかり収まっていると脱げ難いが、ダブル巻きの溝の分だけ踵を持ちやすく脱ぎやすい。
という大メリットがあります。
なので、個人的には
《ドレスシューズ×ダブル巻き》
というのは実用性といった面でかなりの信頼感があります💞。
そして、選ぶのはもちろん…
《ピッチドヒール》
です💥💥💣💥💥
…。そりゃあ格好いいですからね❓
わかって貰えるかと思います(多分)(  ̄- ̄)
逆に2番手以降のストレートチップなら間違いなく《ダブル巻き》を選びたいです。。。
⑥ハトメの数。
一般的なのは上のような5アイレット。
しかし、下のような6アイレットのものの方がより古典的です。
残念ながら、既製品ではそこまで多くはないですが、ある事はあります😥。
(SHETLAND FOXとか三陽山長とかSCOTCH GRAINとか大塚製靴M-5とかTrading postとかのプレステージラインで)
ついでになりますが、ステッチが入るなら上のようにスワンネックはいいですね💓
後はソールですが、ソール入れると底付けとかマニアックな考えがあり過ぎるので割愛…いや自重します(笑)
というより、パターンオーダーであってもその項目を全部入れると《ハンドソーン製法》必須になりそうなので金額が5割増しくらいになりそうなので…😓
結果として、《革底》で糸を隠す《ヒドゥンチャネル》。
予算的に余裕があれば《ベヴェルウエスト》もしくは《フィドルバック》。
ウェルトは極力小さく仕上げたもので《両爪》か《ヤハズコバ》
なんてのも
以上の事より、個人的に最も格好いいと思うストレートチップは(あくまでアッパーデザイン中心に考えた場合)
①黒いクロム鞣しの革
②ラウンドトゥの木型(Last)
③小ぶでバランスの良いのキャップ
④シームレスヒール
⑤ピッチドヒール
⑥6アイレット
ついでにスワンネック
といった形でしょうか。
またそのうちそのまま似たような(ぼくのかんがえたさいきょうの靴~シリーズ~)として記事を挙げるかもしれません(笑)